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アートテクノ有限会社

8:基板の表面処理

今までに見てきたいろんな表面処理です。

A)半田レベラー
  銅の表面が錆びるのを防ぐための処理で、
  銅箔部分が露出するのを嫌う場合に適しています。

 

  基板の保管期間がフラックス処理より多少長く取れます。  

 

  鉛フリーの半田レベラーと共晶半田のレベラーがありますが
  今では、共晶半田は鉛が含有しているので見られなくなっています。

 

B)耐熱プリフラックス処理
  銅箔の素の状態のもので、
  表面をフラックスで薄くコーティングした基板になります。

 

  量産品では、
  コスト面と部品の小型化からこの手法が多く採用されています。

 

  基板製造から、実装完了まで、
  比較的短期間で終えられる場合に採用されています。

 

  工業品、安全性を要求される場合は、
  使用環境に左右されるため避けられています。

 

C)錫メッキ処理
  銅の表面が錆びるのを防ぐための処理で、
  銅箔部分が露出するのを嫌う場合に適しています。

 

  基板の保管期間がフラックス処理より多少長く取れます。 

 

  レベラー処理では、
  基板表面の半田量が均一に出来ないため、
  ファインピッチの部品を使用している場合に適しています。

 

D)金メッキ処理
  接点構造を有する基板に採用されています。
  コスト的には、金を使用しているため、当然高くなります。

 

E)銀メッキ処理
  銀メッキ処理をした基板も見てきています。

 

  しかし、マイグレーションが発生する可能性が
  あるため、ほとんど使用されていません。

 

蛍光X線測定による成分分析

 

A)錫メッキ処理
Snの錫が検出されている。

 

蛍光X線測定 錫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B)銀メッキ処理
Agの銀が検出されている。

 

蛍光X線測定 銀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通常は、このような検査は行っていません。
表面状態が通常と違う感じがして、検査した結果Agが判明しました。

走査電子顕微鏡による成分分析

A)共晶半田レベラー
 錫60%、鉛40%の共晶半田のレベラー処理部分の検査
 鉛Pb と錫Sn の検出が確認できます。

 

走査電子顕微鏡_共晶半田_鉛

 

B)錫メッキ処理
 錫Sn のみが検出されている。
 最近の基板では、ほとんど鉛は検出されていません。

 

走査電子顕微鏡_錫

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次は、9:小袋に入れて整理

 

お見積り依頼は、メールにて対応させて頂きます。

 

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半導体は、捺印ごとに、Vf、Vz、PNP、NPN、Hfe、Nch、Pch等を測定しています。これらの検査結果からシンボル化した回路図を作成しています。

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